製品紹介ハーメチックシールの概要と注意事項

ハーメチックシールの概要

ハーメチックシールとは

1821年Davyが白金と軟質ガラスの組み合わせによる気密封着の研究。
1879年Thomas Edisonが白熱電球の製造にハーメチックシール技術を応用。
ガラスと金属の研究は古代エジプトの七宝焼きにみられます。
ハーメチックシールとは気密封止のことで、フジ電科ではガラスと金属を組み合わせたハーメチックシールを製造しております。

用途

ハーメチックシールは、真空容器密閉容器など外部と遮断された構造体に電力供給や信号の入力を行うために用いられます。
気密性はもちろんの事、絶縁、耐電圧、耐圧力、耐環境性にすぐれ、宇宙、航空、海洋、医療、プラント、製造設備など様々な分野で使用されております。

特徴

ガラスハーメチックシールには、マッチドタイプ(整合封着)とコンプレッションタイプ(圧縮封着)がございます。
  • マッチドタイプ(整合封着)はコバール金属を用い、ガラスとの膨張が近い為、形状に制約を受ける範囲が少なく、耐熱性、気密性に優れた特徴がございます。
  • コンプレッションタイプ(圧縮封着)は主に鉄系やSUSを用いガラスとの膨張差による圧縮応力を利用して封着しており、機械的負荷に強く、形状の制約は出ますが素材面で比較的安価に製造可能といった特徴がございます。

取扱注意事項

取扱い上の注意事項

  1. ハーメチック製品は必要に応じて種々のめっき処理を施しておりますが、直接素手使用による取り扱いは避けてください。 めっき表面を汚染することになり、変色、はんだ付け性等の不具合が生じる事があります。
  2. 納入梱包は万全を期しておりますが、投げたり、落としたり等の衝撃を加えると端子やサポート等が変形する事がありますので、移送時は十分なる取り扱いをお願いいたいます。
  3. 納入後長期未使用の場合は、温湿度(高温・高湿に晒さないように)並びに清浄度の管理された場所に保管・管理することをお勧めします。(絶縁抵抗性、めっきの変色、はんだ付け性等の不具合防止のため)
  4. 納入後一年以内に使用することをお勧めしますが、一年以上経過し異常が認められる場合、弊社までご連絡ください。 弊社にて品質確認・再検査などの適切な処置を実施いたします。

使用上の注意事項

  1. ハーメチックシール製品を装置などに取り付けるとき、無理な力(引っ張り、曲げ、ねじり、衝撃など)を加えないでください。 また取付後においても極度な力を加えることは避けてください。ガラスシール部に許容応力(約10MPa)以上の応力が生じると、経時変化によってガラスクラックや気密不良の不具合が生じる場合がございます。
  2. ハーメチックシール製品を装置。基板等に取り付ける際の方法(はんだ付け、溶接、ろう付け、樹脂接着等)は、その目的に合致した構造・材料・仕上げで設計製作しておりますので、設計と異なる方法で使用しますと不具合が生じる場合があります。 仕様の確認・最適化設計等の見直し検討を実施しますので、弊社までご連絡ください。
  3. ハーメチックシール製品へのローカルヒート(局部加熱)や急激な加熱は、ハーメチックシールの破壊を招く原因となりますので極力避けてください。対応策として徐々に加熱・冷却するとか、プリヒート(予備加熱)の採用などを実施することをお勧めします。
  4. ハーメチックシール製品を筐体や基板に取り付け後、リード線にはんだ付け・溶接・曲げ加工・切断等を施す場合、リード線の根元(ガラスシール部)に極度な負荷が加わりますとガラス部にクラックが生じる場合がございますので、根元より離れたところで加工するか、ガラス部分に力が伝達しない工夫(治具等で保持する)をするなど適切な作業を行ってください。
  5. ハーメチックシール製品は適正な電圧・電流で使用することが必要です。 過剰な負荷を加えますとハーメチックシールが破壊される危険があります。
  6. ハーメチックシール製品は腐食に対して強くできていますが、厳しい腐食環境では損傷を引き起こす場合がありますので、適切な環境での使用及び貯蔵が望まれます。

その他ハーメチックシール製品の取扱いに関する疑問、問題点がございましたら下記までお問い合わせください。

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